■
日本現代詩文庫61
『小坂太郎詩集』
解説/真壁仁・吉岡良一
小坂太郎がしぼったレンズの焦点に現出しているのは、まぎれもなく崩壊の風土であり、流亡の風景である。家・家財道具・宅地や農地、それらの富の中での全崩壊が今日の貧しさの究極だと知らされるのだ。(真壁仁・解説より)
ISBN4-88625-352-0 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫62
『新編 島田陽子詩集』
(絶版)
解説/杉山平一・石原武
「詩」と題する詩に、次々、とび出してくる蝶、それを紙にピンでとめておいて、あとで見ると、死骸ばかり、というフレーズがある。声のなかに生きていて、文字にすれば死んでしまう、詩の言葉の秘密を語っている。(杉山平一・解説より)
ISBN4-8120-1210-4 定価1,365円(5%税込)
■
日本現代詩文庫63
『秋野さち子詩集』
解説/土橋治重・伊藤桂一
秋野さんは若いころ、胸を病んで、死線を越えたというが、そのときの覚悟が、詩の中にどっしりと座っているのだ。それがまたどの詩の中でもきっぱりした鮮やかな切り口をともなっている。(土橋治重・解説より)
ISBN4-88625-360-1 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫64
『菊地貞三詩集』
解説/長島三芳・三谷晃一・別所真紀子
長い時間をかけて、心象をグラスのように揺すりながら、目前に描く風景を巧みに組入れ、ごくさりげない言葉で、これを結実させる。実にあざやかな手練である。(長島三芳・解説より)
ISBN4-88625-363-6 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫65
『筧槇二詩集』
解説/石原武
私たちも死ぬはずだった戦争、南洋はその生々しい死地であった。いまも南洋という肉声に胸を衡かれる。筧槙二は詩人として敗走の兵士の中に入っていく。代表詩集『ビルマ戦記』の入口に、かれは「南洋」においてすでに立っていたのである。(解説より)
ISBN4-88625-365-2 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫66
『飯岡亨詩集』
解説/石原武・今辻和典
飯岡亨の詩業を渉猟して確信を深めたのは、一貫してうたい続けた〈怒りの音楽〉のさわやかさである。おぞましい殺戮を書き、悽惨な非道を問いつめても、おのが魂を貫く人間らしい怒りと慚愧の声は、言葉の音楽として大衆の胸に響く。(石原武・解説より)
ISBN4-88625-378-4 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫67
『桜井勝美詩集』
解説/芳賀章内・麻生直子
桜井勝美は、北川冬彦が評したように〈現実・批評〉の〈独創・卓抜〉な世界をもって登場した。今日でも、その作品は鮮烈で、言葉の迫力と創造性に輝いている。読者を、詩の裏側にある歴史の沼地へと足を踏み入れさせずにはおかない。(麻生直子・解説より)
ISBN4-88625-397-0 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫68
『明珍昇詩集』
解説/杉山平一・大野新
十代の後半の思想の目覚めと、敗戦後の日本の混乱期とがぶつかった詩人の多くがそうであるように、闇や憎悪や泥濘や屈辱の観念語の身構えがあって、目をそむけたくなるような醜悪、汚穢の風景でありながら迫力がある。(杉山平一・解説より)
ISBN4-88625-388-1 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫69
『堀場清子詩集』
解説/矢島翠・麻生直子
繊細さと強靱さが釣り合った文体の緊張感。それは詩人=ことばのいのちを求めるひとと、研究者=事実のいのちを追及するひとの、幸せな共存から生まれるものである。堀場さんの詩は、現実に対する強烈な関心と着実な観察につちかわれている。(矢島翠・解説より)
ISBN4-8120-0408-X 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫70
『野田寿子詩集』
解説/森崎和江・崎村久邦
自在になっていく作品に私はやすらぎます。あなたは苦痛を噛みながら吐き出しているのに。生と死とが、無明とか宇宙の静寂とかと私たちが感じあう交流の時空を持つように、同時代の人間たちの世界に、あなたは、きちんとこだまを返す。(森崎和江・解説より)
ISBN4-88625-399-7 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫71
『呉美代詩集』
解説/青木はるみ・新井豊美
誕生までの時間は気が遠くなるほど長い。誕生までに転身する過程が屈折する。転身するまでに死に見紛う体験がある。自然の摂理といえばそうなのだが、呉さんの場合はいわば「種の思想」に昇華されている。(青木はるみ・解説より)
ISBN4-8120-0404-7 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫72
『田中国男詩集』
解説/坂井信夫・経田祐介
田中国男さんの詩を読んでいると、血が騒ぎ出す。それは野のうまれのからだに流れている血が、彼の詩の思想に、哲学に、自然観や宇宙観に、または野のデッサンに共鳴し、呼応するからかもしれない。(高木護)
ISBN4-8120-0410-1 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫73
『金子秀夫詩集』
解説/西岡光秋・天彦五男
溝泥のような青春。酒も女も、職も食も、いつも満たされないまま、荒れすさび、無頼と言える日があり、つかの間の家庭の平和があり、決して順風満帆ではなかったが、芸術を眼ざし、学ぶこととが混然一体となり、今日の金子秀夫が形成されてきた。(天彦五男・解説より)
ISBN4-8120-0411-X 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫74
『大井康暢詩集』
解説/高石貴・川島完
大井は…負の場面といえるところで、むしろ逆のバネにする賢い精神力も持ち合わせる人なのだ。…格調と論理性は、後の評論のどの切り口にも迸っている。また、反権力反権威への熱い傾斜もむべなるかなといえよう。(川島完・解説より)
ISBN4-8120-0414-4 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫75
『冨長覚梁詩集』
解説/藤富保男・中村不二夫
彼の詩は地との対話であると言ってもよい。…風景・物象が彼の体内に浸み入るとき、柔らかにそれらを抱き込む許容力があるのだ。ぼくはいつもこういう彼に脱帽ばかりしているのである。(藤富保男・解説より)
ISBN4-8120-0421-7 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫76
『相澤史郎詩集』
解説/寺門仁
ひたすら東北民衆擁護の場に立ち、同朋を撃つことが決してないのは考えてみれば、苛酷な風土の運命を知り尽しているからであろう。…郷土を出奔し批判する私的ゲリラとはなり得なかった。(解説より)
ISBN4-8120-0423-3 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫77
『武田隆子詩集』
解説/菊田守・山本楡美子
平和を希い、戦争で死んだ子供たちや泥棒にまで愛情をもって書かれており、戦争を憎み、人を愛する姿勢は、…武田隆子の詩の一つの特徴となった。(菊田守・解説より)
ISBN4-8120-0424-1 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫78
『吉田欣一詩集』
解説/中野重治・小野十三郎・秋山清・石黒英男
吉田欣一の詩からわたしは信頼の思いをひき出される。読んで行って、彼と彼の詩とにたいする信頼の思いが、ずっと通常の形でわたしのなかに出てくる。(中野重治・解説より)
ISBN4-8120-0429-2 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫79
『高橋渡詩集』
解説/西岡光秋・西垣脩
高橋さんは眼前の風景のなかにその宇宙が顕前してくるのを見まもり、そこに引きこまれる精神の蕩揺をしずめるために、つまり鎮魂のわざとしてうたうのである。それは…醒めた孤寂な意識である。(西垣脩・解説より)
ISBN4-8120-0431-4 定価1,325円(5%税込)
■
日本現代詩文庫80
『圓子哲雄詩集』
解説/杉山平一
…長篇小説のように一貫して誠実に自伝を語って行く詩人は珍しい。而もその喜びも苦しみ哀しみも、人生肯定観によって貫かれているのが爽やかで、圓子さんが「四季」に傾倒した理由がよくわかる。(解説より)
ISBN4-8120-0432-2 定価1,325円(5%税込)
|