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  ■ 詩集 『くぐり戸の奥から』
小川聖子/著
この詩集には精神の再生を促す何かがある。これはS家物語であっても、それに限定されないわれわれ日本人の戦後物語なのである。そして、その時代の日本人の心は、あらゆる層で今より高貴であったし、生物学的にもホモサピエンスとしての矜持を保持していた。〈中村不二夫・跋より〉
ISBN4-8120-1378-X 定価:2,625円(5%税込)
     
    ■ 詩集 『びんの底で』
青木ミドリ/著
青木さんは北原白秋と同郷の南方のアニミズム的詩人。このアニミズム性は、認識領域の拡大を呈示している現代科学の併せもつ側面とも似ている。青木さんの感性は、抑制の効いた自我やユーモアなどを時空に捉えている。先が閉ざされた時代だからこそ、明日への可能性をもつ青木さんの詩に期待したい。(北畑光男・跋より)
ISBN4-8120-1380-1 定価:2,100円(5%税込)
     
  ■ 新・世界現代詩文庫@『現代中国少数民族詩集』
秋吉久紀夫/編訳
中国には現在、五十六の民族が居住していて、人口の九〇%を漢族が占め、残りがおおむね辺境地区に居住している少数民族である。これら少数民族のひとびとの文学は、いまだに明確に国外には知られていない。ただ、存在は知られていても文字での文学作品はなく、きっと伝承か民謡の類いだと見做されていたはずである。しかし、いまや中国の少数民族のひとびとは、各自に有するウイグル、ロシア、モンゴル、満洲、朝鮮、カザフ、イ、チベット文字などで作品を発表すると同時に、共通語である漢語の書けるひとびとは共通語の漢語で執筆し、または優秀な作品は共通語に熟練した翻訳者によって翻訳され、全国的な文芸誌などに発表されている。 (「解説」より)
ISBN4-8120-1347-X 定価:1,470円(5%税込)
     
    ■ 新・世界現代詩文庫A『現代アメリカアジア系詩集』
水崎野里子/編訳 
アメリカとカナダの中で、アジア系であることを深く追求し、人間としての喜怒哀楽を堂々と言明した彼らの詩は、他ならぬ世界の中で我々アジア人の発する叫びをも代弁している。そして、さらにそれらは、アメリカ人ではなくアジア人である我々も、世界の中で自分のアイデンティティを追求し、確立する任務を怠ってはならぬという事実を我々に教えている。更に私はここで、黒人文学やアジア系アメリカ文学を包括する現在のアメリカ文学の多様性を賞賛したい。この多様性に関しては、わが日本文学も負けずに志向することを望みたい。人種偏見とかいろいろ言われるが、アメリカはまた多様性を受け入れる国であり、自分の明確な声を持つ者は持つ者として評価する国でもあることは明記する必要があるだろう。(「あとがき」より)
ISBN4-8120-1348-8 定価:1,470円(5%税込)
    ■ 新・世界現代詩文庫C[ベアト・ブレヒビュール詩集]
鈴木俊/編訳
ベルン近郊の造園業の家(それを彼は後年お伽噺の家のようだったと回想していますが)に生まれたブレヒビュールは、今日までスイスの自然や人々の生活から切っても切り離せない処で詩を書き、小説を書き、童話を書いてきました。スイスには、ドイツ語圏やフランス語圏、イタリア語圏とそれぞれ地域固有の文化があるにもせよ、それらもろもろの要素を一つにしたスイスという国の生えぬきのスイス人……とりわけボーデン湖畔の農民達にぬきさしならぬ愛着を保ちつづけてきた詩人といえましょう。(「訳者あとがき」より)

SBN4-8120-1381-X C-0198 定価:1,470円(5%税込)
■ 新・日本現代詩文庫P[井之川巨詩集]
井之川巨/著
井之川の口ひげは、自分の優しさが、「群衆」のだれかれのように不用意に流露して、結果として慰め合うだけの「風景」に化してしまうことへの、反の意思表示なのである。詩人としての違和感の表明なのである。この違和を、低い位置から差違を認識する原基と言い換えてもよかろう。そこに井之川の詩的姿勢の原点がある。
(暮尾淳・解説より)
井之川の詩人としての資質の根には言葉に対する感覚の良さ、ウイットに富んだ才知、色彩とリズムの妙味があると思う。そして、初期からの作品を読み、詩的出発に北川冬彦のモダニズム、ネオ・リアリズムと関わったことを知り、うなずいた。モダニズムの影響を受けたというのではなく、井之川の中に元からモダニズム的要素が存在していたのではと推察した。(佐川亜紀・解説より
ISBN4-8120-1382-8 C-C0192 定価:1,470円(5%税込)
■ 詩集 『生と死のパズル』
津金充/著
この詩集は、徹底して生きられた生だけが死を燦然と輝かすことを確信する詩人が、衰弱した現代に叩き込んだ楔である。他者を見据えながらも、激情と孤独を備えた剛直な世界をみごとに定着させて、しかも生の豊かさを息づかせることに成功している。(森田 進)
ISBN4-8120-1382-2 C-0092 定価:2,100円(5%税込)
■ 詩集 『同行二人』
杉山妙子/著
愛する人との別れは、身を切るように辛い。古人は断腸の想いと言った。まさによくこの情を捉えた言葉だ。生別はまだ再会の機会が残されているが、死別は、こちらから彼方へいかない限り想いは達せられない。『同行二人』の全篇を貫くものは、亡き御夫君に対するこの想いである。
ISBN4-8120-1383-6 C-0092 
準備中  〔新〕詩論・エッセー文庫1 『植民地と祖国分断を生きた詩人たち』
齋藤 まもる /著
日韓の歴史を背景に、韓民族の心のひだに迫る
世界詩人大会、韓国PENクラブ国際シンポジウム等で講演した知韓派詩人が、韓国詩人たちの心の軌跡を検証する好エッセイ集。
定価:1,470円(5%税込)
  ■ 〔新〕詩論・エッセー文庫2 『生理的抒情試論』
齋藤 まもる/著
20世紀の悲劇は、人間が動物であることを忘れ、造物主の領域に迷い込んだことにある。本書は生物としての側面から詩を見つめた、新しい抒情詩論である。

ISBN4-8120-1386-0 C-0192 定価:1,470円(5%税込)


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