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■ 詩集『心臓の星』
佐相憲一/著

ドック、ドック、ドック、・・・
その星の二十一世紀なるものの声

宇宙新刊読者に捧げる
地球女史からの苦いラブレター

ISBN978−4−8120−1693−0  C0092 定価2100円(5%税込)

■ 21世紀詩人叢書・第U期34『草蔭』
江口節/著

江口節の詩の優れた点とは何か。それが直喩であれ隠喩であれ、けっして技巧に走らない喩の自然な用法に最も大きい特徴があると言えるのではないだろうか。(鈴木漠・栞より)

ISBN978−4−8120−1680−0  C0392 定価2100円(5%税込)

■ 詩集 『水 離る』
前原正治/著

神も鬼もない /この地で /すでに
流砂の一粒と化した子供の /見開いたその瞳には /何も映っていない

はかないもの、小さく弱いもの、虐げられているもの、傷つき死に近いもの、死に赴くものなどの深い淵からの嘆きや苦しみに果てがない。いま、詩作をし詩集を編むという行為はどんな意味をもつか。「いつ来るかわからぬ死に脅かされた人間の眼に価値を失わないものでなければ、おそらく詩でも芸術でもない」という、という、ポーランドの詩人ミウォシュの言葉が心に浮かぶ。(「あとがき」より)

ISBN978−4−8120−1686−2  C0092 定価2100円(5%税込)

■ 新・日本現代詩文庫57『網谷厚子詩集』
網谷厚子/著

あたしたちはどこまで /歩いていくのだろう /人工衛星の破片が
驟雨のように襲ってくる /びしびしと /あたしたちは
あたしたちの罪に打たれている /危い /と告げる口さえ
あたしたちはいつの間にか失って (「アンモナイトの夢」より)

 網谷厚子にとって、その態度は、学部の卒論を書くに当たって、『竹取物語』を題材に選んだところにも表れている。日本人なら誰でも、一度はその話のあらましを読むか聞くかしたことのある世界は、この地球上ではなくて、月に生まれた美女にのみ成立する世界である。つまり網谷にとってその世界は、彼女の詩の成立する世界と、基本的には同一の世界である。(星野徹・解説より)
 明晰な頭脳や才能の持ち主は、そうでない人々にしばしば不寛容であったりするものだが、網谷氏の作品には人間への敬意と愛情が根底に流れている。心優しい彼女が子どもの目線に合わせてかがみ、いたわりながら話しかけているような仕草が伝わってくる。(岡野絵里子・解説より)

ISBN978−4−8120−1710−4  C0192 定価1470円(5%税込)

■ 詩と思想新人賞叢書3『乾杯』
橋爪さち子/著
第16回詩と思想新人賞受賞詩人の新詩集
飼い犬の体毛を左右に分けたら、おなかを縦に割る中心線が見つかった。
ヒトにもあるこの一本線をたどれば、
始原の生命体までさかのぼることができるだろう?

さまざまな出会いと別れを通して、ひそやかな祝祭へと続いていくはずの
いのちの確かさを優しく見つめる待望の新詩集。(一色真理)

ISBN978−4−8120−1691−6  C0392 定価2100円(5%税込)

■ 新・日本現代詩文庫54『井元霧彦詩集』
井元霧彦/著

あなたの父を殺そうと思ったことはいちどもないとあなたは思えるか
河が海のまん中まで流れまだ流れていると思えるか
太陽からもっとも遠い日
わたしたちの夜がとうとう来ましたとあのひとはわたしに言った
(「か」より)

 井元さんが「人間の学校」ということに、何年もこだわるのは何故だろうか。私は「学校」というところを、普通に「学び舎」と読みとってもいいのだが、「人間のいるところ」と読むのがいいと思う。「人間の学校」は「人間の人間のいるところ」ということだと思う。そうすれば全ての詩に通徹するところの、井元さんの、人間への「愛」が見えてくると思う。そして、誰の、何らかの「亜流」ではないことばとして「詩」が見えてくると思う。(松尾静明・解説より)

ISBN978−4−8120−1684−8  C0192 定価1470円(5%税込)


■ 詩集 『神話』
南邦和/著

詩集『神話』は、詩人のみずみずしい感性で、イザナギ・イザナミの神話の時代から幕藩体制下の農民一揆、太平洋戦争下・異郷での生活体験、そして憲法九条問題など、混迷する現代世界までを預言的、啓示的に描いている。どの詩も、これからの人類の在り様が真実の言葉で照射されていて印象深い。
(中村不二夫「栞」より)
ISBN978−4−8120−1676−3  C0092定価2100円(5%税込)

■ 詩集 『鶏たちの誤算』
呉 美代/著
大樹になったあなたを
わたしは
まぶしく見上げる
その遥かな年月の
一刻一刻のたゆみない歩みが
わたしのなかでいたくうずいた

日々わたしを蘇らせたあの人のように
いまいちど
わたしを蘇らせてほしい

大樹よ / 「大樹よ」より
ISBN978−4−8120−1659−6C0092 定価2100円(5%税込)

■ 新・日本現代詩文庫55『高橋次夫詩集』
高橋次夫/著

鴉は
透明な眼玉をむく
ひたすら眼玉をむく
眼玉が渇ききったときに
天を仰いだ咽喉から
血の色になって声が奔り出る
(「鴉の生理」より)

 十一歳の少年がみた北満平原、そしてその原野はるか遠く興安嶺の山容にかかる巨大で真っ赤な落日に、その父のしかばねの裸身がてらされているさまは、六十いく年を閲みしたいまも、生々とした詩的体験となって、新刊詩集『雪一尺』への開花となったのだ。まさに高橋次夫は終らないのである。(小暮克彦・解説より)

 この作品を難解詩と言う者はいないだろう。だが、決して易しい詩ではない。詩句のひとつひとつが読者を立ち止まらせる。そこに充実した意味があるからである。(友枝力・解説より)

 孤性の孤は、孤独の孤でもあるし、個性の個にも通じるだろう。孤の究極はつまり、生まれ出るときの個とそして生まれた以上は誰しも必ず行き着くところの死のことでもある。その間の生老病死のさまざまなことどもに遭遇して、人は人としての本当の顔を自ら形づくっていく、高橋次夫はその表わし方を詩作りに求めた、そしてついにここまでやって来た。(松本建彦・解説より)

ISBN978−4−8120−1708−1  C0192 定価1470円(5%税込)
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