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 新・日本現代詩文庫42『遠藤恒吉詩集』
遠藤恒吉/著
バンザイを
言う余裕があるならば
眼も閉じて死ねたろうに

その暇もなかった

眼を開けたまま
十何万が
どっちを向いても
見えない眼を

開けたままでさ
(「眼」より)

ISBN4−8120−1565−0 C0192 定価1,470円(5%税込)

 新・日本現代詩文庫43『五喜田正巳詩集』
五喜田正巳/著
しらしらと眩しい風景
蚕のように身を透く
不思議な緊張は何だろう
うろうろ歩くと
喉仏やされこうべに似た
死の破片が足につきあたる

砂のコトバは風に研がれ
抒情を寄せつけない
山も川もここではまぼろし
孤島に そぞろ
うら寒い刻がぬけていく
(「砂の島」より)

ISBN4−8120−1574−X C0192 定価1,470円(5%税込)

■ 新・日本現代詩文庫45『和田英子詩集』
和田英子/著
アケボノ杉が見える
富田砕花旧居である
前の大戦で焼け残った
屋根のある門は崩れ
くり石を固めた塀崩れ
門につづく物置(現展示場)の
瓦ずり落ち 壁は損傷している
瓦礫を踏んで庭に入る
(「アシヤ便り―震災1」より)

ISBN4−8120−1594−4 C0192 定価1,470円(5%税込)

■ 詩集『埋葬虜囚一六三号からの手紙』
阿部宗一郎/著
六十度目の八月半ばが過ぎる。シベリアの墓地で目ざめたままの二十四歳の死者。彼は断言する。「私の耳と目が風化することはない」と。そこに見えているのは、権力者の神の国という戦争正当化の論理だ。最上川の村からは、かわうそ、もくず蟹が消えていく。家と庭が崩れていく。が、詩人の全力投球の闘いは終わることはない。    森田 進

ISBN4−8120−1587−1 C0092 定価1,890円(5%税込)

■ 新・日本現代詩文庫40『米田栄作詩集』
米田栄作/著
むなしく燃えつきた三角州((デルタ))
瓦礫のくずれに
雨が悔恨をたたきつけ
悔恨が雨をふらしたとき
いく日かの雨音のなかを
この地にかえってきた永眠よ
やすらかな荒廃よ
とりのこされた倖せが
かさなりあい 抱きあい
失われた季節を思ったとき
静脈のよう 地霊のよう
ふたたび 川は流れていた
(「川の鎮魂歌」より)

ISBN4−8120−1568−5 C0192 定価1,470円(5%税込)

■ 詩集『楔の音律』
住連木 律/著
「楔」とは、流れゆく人生の一齣一齣を繋ぎとめるものと考えれば、詩人の志の道標と捉えられよう。楔が時を経て立ち列ぶと音律を生む。それが協和音か、不協和音かは、「いざ
知らね、今宵星降る東京の夜」と中也に風に受けると才気煥発な住連木さんの詩が見えてくる。(比留間一成)

ISBN4−8120−1570−7 C0092 定価2,100円(5%税込)

■ 詩集『朝顔に』
越 一人/著
越 一人は、何も強要してこない。病みついで六十年が紡ぎだした詩の世界から低い声で語りかけてくるものから何を聞き取るのか、試され期待されているのである。この詩集は、越 一人が自ら打ち立てた墓なのだ。(森田 進)

ISBN4−8120−1571−5 C0092 定価2,625円(5%税込)

■ 詩集『母子草』
斎藤公子/著

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ISBN4−8120−1572−3 C0092 定価1,260円(5%税込)

■ 詩集『ゆらぐ』
北条敦子/著
よく読んでみると、あちこちに前向きなユーモアが顔を出している。真摯に生きている市民の内部に恩寵のように与えられた特権としてのユーモアである。ほんとうは悲嘆にくれてしまうかもしれないあやうい一線に立たされるからこそ、こういう作品群が産みだされるのだ。(森田 進)

ISBN4−8120−1573−1 C0092 定価2,100円(5%税込)

■ 『詩と思想詩人集2006』
詩と思想編集委員会/著
混迷する今日の状況を見つめる
283名の詩人たちのいのちが紡いだ
最大のアンソロジー

ISBN4−8120−1577−4 C0092 定価2,800円(5%税込)
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