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 詩集 『華麗な化学式』
国広 博子/著
意志の力とエネルギーをためこみ、同時に疲れと無気力をもない交ぜて織り上げていく全過程を、空から見ていらっしゃるのはあの方だ。一日一日の生きるという重い仕事を、「任されている」と確信する詩人が刻む言葉は、熱く深い風になって吹き渡るに違いない。(森田 進)




ISBN4―8120―1546―4 C0092 定価2,100円(5%税込)

 詩集 『桜庭』
若林 克典/著
若林克典と知り合って、そろそろ30数年になる。むかし、長田恒雄の『現代詩研究』の同人であった若林の身近には、南川周三をはじめ、様々な詩人がいた。それら詩人たちの詩の泉を汲み上げながら、今日の若林克典が育ってきた。彼は、実のある人間である。そのまなざしの底から発光する透視力をこの第2詩集で久し振りに味読したいものである。 (西岡光秋)


ISBN4―8120―1550―2 C0092 定価2,100円(5%税込)

 エッセイ集 『 家族会議 』  
浜 厚子/著
あとがきより
 通信講座の文章教室を受講しはじめ、月に一回、自由な題で二千字のエッセイを書くようになった。書き始めると、幼児期のこと、結婚後のこと、次々に書きたいことが出てきた。それらの作品を実家の両親に見せると、とくに幼児期のことを書いたテーマに二人は悦んでくれた。今年で、父は九十四歳、母は八十四歳になり、父はさすがに年のせいか足も弱って、母の介護の手を必要としている。しかし、私が大きな声で作品を朗読すると父は声をあげて笑う。かつて父は大学の文学部で教鞭をとっていたことがあり、その当時が蘇ってくるのか、私の作品に対しても感想を聞かせてくれるし、時には表現方法に対する細かいアドバイスもしてくれる。父の側で母もまた、みんなが一緒に暮らした幼い頃の光景を懐かしく思い出しているようだ。それにつられて私は、つぎからつぎへエッセイを書き、実家に見せに行くのが常となった。そして、両親のためにエッセイ集を出したいと思うようになり、その喜ぶ顔が見たいと思った。
ISBN4―8120―1544―8 C0095 定価1,575円(5%税込)

■ 詩集 『 想いの旅(シルクロードとその周辺) 』  
羽田 敬二/著
二十年間、シルクロードとその周辺の旅を重ねてきた詩人の前に、絶えず立ち現われてきた生と死の姿。そこには、あの戦争の苦さも映っている。旅の想念の深さは、こうして地軸の中心から、詩となって噴出している。(森田 進)




ISBN4―8120―1549―9 C0092 定価2,000円(5%税込)

■ 『 風のアルビオン 』  
青山 夕璃/著
生まれ育った日本を離れてイギリスに暮らした日々の甘やかだったり苦かったりするさまざまな場面が彼女の中で風となり言葉となって今も渦巻いている。出会う喜び、隔てられていることを知らされる痛み、人びとの切ない影が揺れながら過ぎていく街の姿が荒れ野のようにそこから浮かびあがってきた。(川口晴美)


ISBN4―8120―1551―0 C0092 定価2,100円(5%税込)

■ 荒賀憲雄詩集 『 原郷蒼天 』  
荒賀 憲雄/著
モンゴル・シルクロード旅の詩集成

 京都に住む詩人で登山家の荒賀さんにお会いしたのは、三年前の夏モンゴルのゲルで一緒に泊まった時だった。アルヒを飲んで酔ったので、肩を組んで歩いた。山の話もした。私はそれを好んできいた。(北原立木・作家)


ISBN4―8120―1555―3 C0092 定価1,900円(5%税込)

■ 詩集 『 船内時間 』  
柳原省三/著
魂がみしみしときしむ追悼詩集
海上生活の現場では、テロへの警戒が厳しい。定年近い外航船チーフエンジニアの内部には、故国と肉親への熱い想いが息づいている。そして、愛する息子を突然失った悲痛な渦巻きの底から、雄々しい生への意志が決然として立ち上がってくる。(森田 進)

ISBN4―8120―1548―0 C0092 定価2,100円(5%税込)

■ 詩集 『 裸木 』  
花籠 悌子/著
どの作品も花籠の思いは現実と非現実のあわいの一点に注がれるが、それは自らがすでに生と死のあわいの淵に立っていることへのアレゴリーと読み変えてもよい。
花籠の中で、生と死は合わせ鏡のように光彩を放っているが、そこでの現実と非現実の落差が大きければ大きいほど、言葉の意味は深くなりさらに訴えを増す。(中村不二夫・解説より)

ISBN4―8120―1545―6 C0092 定価2,100円(5%税込)


■ 新・日本現代詩文庫37 『 埋田昇二 詩集 』
埋田昇二/著
溶けた木のかたち
溶けた灼熱の木のかたちのまま倒れている
生きたまま焼かれて
もがきのたうちまわったままの
熱い無念のかたち

いまも 苔むした
時に固執しながらふるえている
痛みが直立したまま
風の抜け穴となって
ひゅうひゅう哭いている   (XXU『富嶽百景』より)


SBN4―8120―1542−1 C0092 定価1,470円(5%税込)

■ 新・日本現代詩文庫39 『新編 大井康暢 詩集 』  
大井康暢/著
足を滑らして地球の裏側に飛び込んで
底なしの桜の木の下に
大きな口をあけて落ちてくるのを
足の墓場が待ち構えている
宇宙を歩く足の墓場があるのだ

音のない地球のへりを縁取る
黒い死んだ空間には
星が輝いていて
ここに足の墓場があるのだと
無数のまばたきをしている
(「足の墓場」より)
ISBN4―8120―1563―4 C0192 定価1,470円(5%税込)

         
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