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準備中 ■ 詩集 『夕暮れの厨房』
高原 木代子/著
人生の奥処を峻厳に見据えた詩集
古稀をすぎた私は、日毎、田舎の旅館の台所に立ち向かっている。そして今夜、音も立てずに斬った自分をあなたに届けようとする詩人は、人生のあちら側とこちら側のまん中できしんでいる。(森田 進)


■ 詩集 『ローカル列車を待ちながら』 
北原 千代/著
今朝山守りのじいさんから/フユイチゴの赤い宝石をもらいました
九回の引越しと/短い旅をしてどういうわけか/右腕が痺れたわたしは/またこの寒村に居ります/舌のうえに置いた赤い実が転び/甘酸っぱくわらっています(「居場所」より)

ユーモア、デフォルメ、美意識の顕示は詩集の主題、音楽との親和性を有する言語感覚の発露等と渾然一体になってあたかも額紫陽花の装飾花のように詩行を際立たせ、耀らせる要素となっている。(森哲弥・解説より)ISBN4−8120−1514−6 定価2,100円
(5%税込)
■ 詩集『 太 陽 の 告 白 』 
時代 駅舎/著
 21世紀を黙示する前衛詩人の声実
現代の日本人に贈る、ある魂の情動  
詩人・時代駅舎は、初めに役者を志し痛恨の挫折を味わう。紆余曲折・波乱万丈な生き様が、この魂を捉え、詩人へと磨き挙げる。一人の詩人を知り得た喜びは、百人の知己を得た喜びにも勝るものである。

 何処から来て何処に行くのか?此れが一人の人間の一生である。著者はこの思いを自らのペンネームに託した。時代という一つ一つの駅を乗り継ぎ、天がけて行くのである。駅は文字通り、人と物と情報が巧みに交差する拠点であり、未来へと伸展するゲートでもある。時代駅舎は不器用な個性に手を焼きながらも、詩情とユーモアを携え、不透明な明日に旅を続ける。
ISBN4―8120―1502―2 C0092 定価2,100円(5%税込)
 

新・日本現代詩文庫32  『皆木信昭詩集』
皆木 信昭/著 
 皆木は地域体験を酷に描くけれども教条的でない。また道学者ぶって肯定するのでもない。両者を止揚する哲理にもとづいている。これは決して派手でないけれども、地域の詩の堅実で新しい姿であろう。皆木はそれを故意に演じているのではない。人柄である。皆木の詩は「地域の詩」の典型とも言い得る貴重な示唆を含んでいる。(井奥行彦・解説より)
 本詩集にはひとりの詩人が生涯をかけて書くべき内容とそれに伴う達意の技量があると筆者には思われた。後につづく者たちにとって範とすべきものが多くあり、実際多くのことを教えられた。本詩集は実質的には選集であって、実は選ばれなかった作品といえども素晴らしい作品が多くある。(岡隆夫・解説より)
ISBN4−8120−1499−9 定価1,470円
(5%税込)

新・日本現代詩文庫34  『新編 佐久間隆史詩集』
佐久間 隆史/著 
 「生」のおののきは、第二詩集『「黒塚」の梟』に至って、より明確になる。なぜそのようにおののくのか。それはわれわれの存在そのものが、瞬時にして鬼女と化した(地獄と化した)安達が原や、「鳥でもない何か」が木にとまっている「梟」の、そんな不安定な姿と同じように、生もまた不安定なものであり、脆く壊れやすいものだからだ。(内山登美子・解説より)
 佐久間隆史の作品の中における「雪」、そして雪が彩り創造する世界は、実在の雪をこえて、私たちが予感はしていても見ることができない内部の「雪」の実相に直面させてくれる。(冨長覚梁・解説より)
 詩がこれほどに非現実の光景を通して、生の根源の息づかいを体験させてくれるものだろうか。佐久間隆史の詩篇は、限りなくさびしさを紡ぐ生の体温を物語ってやまない。非現実とのめぐりあう触感が、氏の内部で循環し、胸をつかれるような思いの中にかがやく静かな深さを、氏は見きわめようとするのである。(成田敦・解説より) SBN4−8120−1500−6定価1,470円
(5%税込)

新・日本現代詩文庫35 『長津功三良詩集』
長津 功三良/著 
 少年時代をとおして、長津功三良の内部にある、屈折したヒロシマ体験を了解しておく必要がある。屈折したとは私の主観で、ようするに長津のヒロシマのくくり方である。 あの日、るいるいたる屍で埋まった本川(太田川)を牧歌的な記憶のうちに残して、黒板も椅子もない学校に通った子どもたちの姿こそは、国破れてなかば棄民化された戦後の日本の平和の実体だった。長津もまた生き残ったがゆえに、長寿社会にまみえ臆面もなく生き永らえる破目になったのだが、長津功三良の屈折したヒロシマにもなったのである(と私は思う)。(倉橋健一・解説より)
 時代の巨大な宿命に触発されて立ちあらわれた長津功三良の暗いひかりを放つ眼、つまり人類絶滅の時間と空間の接点をくっきりと刻印された網膜の凄絶なメカニズムはすでにめざましい発達をとげてきたし、これからもかぎりなく進化してゆくのは、とくにかれの体系的詩業の展開をみればはっきりと了解がつく。 本詩集は原爆という稀代の巨悪に鋭い眼を当てつづける異能の詩人長津功三良の全作品のいわばメニューである。(吉川仁・解説より)
ISBN4−8120−1510−3 定価1,470円
(5%税込)

■ 詩集 『岬まで』 
津田 てるお/著
 賢く加齢するとはどういうことなのか、その秘密を教えてくれる詩集である。
ここには生の悲しみが確かに息づいているのだが、それらを諧謔と機智で包みこみ、苦くも明るい足取りを印していく。だから怪談もミイラも戦争さえもが、軽快な調べに乗せられて踊りだす。(森田 進)
ISBN4−8120−1503−0 定価1,575円(5%税込)

■ (新)詩論・エッセイ文庫 5 『詩圏光耀』
前原 正治/著
 密かに詩人を天職と思い定め、地方と世界に真向い、歩んできた東北の詩人による芸術観、生死への考察、現況への批判など、三十年に亘る詩論・エッセイの集大成。
ISBN4-8120-1495−6 定価1,470円
(5%税込)

■ 遺稿詩集 『彗星の唄』
古澤 通悦/著
  古澤さんの書かれた詩のスタイルは、自らの詩魂を宇宙に遊泳させるために選んだ古澤さんが信条とする方法であった。古澤さんの方法が、ひとりの詩人の生涯を通じて示されたおおらかな人間愛の軌跡であることを私たちは確信している。「あとがき」より
ISBN4-8120-1498-0 定価2,100円(5%税込)


■ 詩集 『いいよ いいよ』
加藤 三郎/著
 小学校を卒業すると同時に家の農業を継ぎ、やがて軍属として南方戦線に送られ、重労働の果てに病人引揚船で帰国。闘病の戦後を生きぬいてきた95歳の加藤翁の詩の世界は、他者へのやさしさと生への讃歌にみちあふれている。(森田 進)
ISBN4-8120-1501−4 定価2,100円(5%税込)






         
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