|  | ■ 新・日本現代詩文庫26 【腰原哲朗 詩集】 腰原哲朗/著
 追体験をとおして、吉田一穂から高橋玄一郎に繋がる日本の詩のなかの一本の糸を手繰ってはいても、何よりも腰原さん自体がおのれの現実を生きつつたくわえ磨いてきた認識、そして知こそが、腰原さんの詩表現の根幹をなしているものなのではあるまいか。そうした方法意識に立つ詩の構造、創造自体が批評精神の体現ともなっている。(田中清光・解説より)
 腰原詩の特色は、無言に限りなく近づこうと圭角に硬く研がれた現代詩の、無機質の難解さにはない。有りがちの欠落や空白やまだるっこい沈黙を、それぞれのことば同士が何とか埋め合い、満たし合い、いのち開きたいと膨らむ詩語自体の、顕花植物のような欲望の自然さにある。(中村義一・解説より)
 ISBN4-8120-1450-6 C-192 定価:1,470円(5%税込)
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            |  | ■ 詩集 呼吸 岡本光明/著
 生の根源にせまる力業
 言葉をなめしながら、触知しないものを触知して、世界を哲学する鮮烈さに、人は心を動かされるだろう。ここに満ちているのは、権力と歴史の本質に踏み入っていく詩の想像力の逞しさである。 (森田 進)
 ISBN4-8120-1447-6 C-0092 定価:2,100円(5%税込)
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            |  | ■ 詩集 蝉 降る 池谷 敦子/著
 卓抜した喩と象徴によって表現された池谷敦子の詩の世界。現実と幻想、生と死を交錯させるそのダイナモは、つよく、また惨として歩まれた「女の一生」である。巧まれた反遠近法的風景を地鳴りさせるその通奏低音は、私たちを痛烈に刺し、同時に陶酔させずにはおかないだろう。 (鎗田清太郎)
 ISBN4-8120-1445-X C-0092 定価:2,100円(5%税込)
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            |  | ■ 詩集 人よ 人 なべくらますみ/著
 単に旅先で出会った人々の描写だけでなく、その土地の文化が捕らえられているところに、この詩集の特徴がある。言い換えれば、さまざまな異文化を通して人とは何か? を知ろうとする情熱が、この詩集を書かせたといえるだろう。(跋・齋藤はじめ)
 ISBN4-8120-1446-8 C-0092 定価:2,100円(5%税込)
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            |  | ■ 新・日本現代詩文庫27 【金光洋一郎 詩集】 金光洋一郎/著
 『遅刻常習者』という詩集は金光の得意の語り口で、ユーモラスなどとは言っておれないけれどときにおかしくもあり、痛烈なパンチがある。「鳩だった」には政治だけを責めるのでなく、国民としての内省があって痛みが深い。
 私は完成度を重視する。金光は絶えず改造と進化を追う。先に「守・破・離」で述べたように、美意識においてもきわめて進歩的で骨太の詩人である。
 (井奥行彦・解説より)
 ISBN4-8120-1439-5 C-0192 定価:1,470円(5%税込)
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            |  | ■ 詩集 海賊海域 柳原省三(Shozo Yanagibara)/著
 柳原さんは遠洋航路の船員として長い海上生活を送っている。みずからの現実体験を詩的体験に変えることのできる独特な視点をもつ詩人である。いずれもいのちにみちたエスプリ。詩は体験がすぐさま創作力となるものではない。「私」の感動を言葉によって再組織する所に成立する。(秋谷豊・解説より)
 ISBN4-8120-1435-2 C-0092 定価:2,100円(5%税込)
 
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            |  | ■ 詩集 新しい画布、若しくは駅((うまや))で 藤子迅司良(Fujiko Jinshiro)/著
 凝視し思索する孤独な知性に映し出された生の内実は、風と雲と星を伴って新しい画布の上に塗り上げられていく。
 一人の人間として、歴史と世界の今を次の駅へとたどっていく詩人の誠実さに、読み手は今日という現場を掘り起こさずにはいられない。そしてもう一度、空を見上げるに違いない。(森田進)
 ISBN4-8120-1440-9 C-0092 定価:2,500(5%税込)
 
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            |  | ■ 田螺の唄 梁瀬重雄詩集 梁瀬重雄/著
 梁瀬さんの言葉は農の始原にあるヴィジョンを、それを〈農の抒情〉と言ってもいいが、鮮やかに歌い上げている。梁瀬さんを渋谷定輔の系譜だと簡単には言えないけれど、告発・慨嘆のトーンから抒情への深まりは、梁瀬重雄という農民詩人の独自な境地を開いたものと思われる。(石原武・解説より)
 ISBN4-8120-1438-7 C-0092 定価:2,100円(5%税込)
 
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            |  | ■ 詩集 黒船前後 斉藤 久夫/著
 黒船来航の衝撃に始まったこの150年余の日本の激動は、風土に生きる詩人の心と眼を捉えて離さない。葛飾北斎、佐久間象山、吉田松陰、河井継之助など日本の夜明けを用意した人物を追って描き出された近代日本は、今、新たな黒船と立ち向かっている。歴史の継承と未来をめぐって、詩人の眼光はその奥処を刺し貫いていく。(森田 進)
 ISBN4-8120-14441-7 C-0092 定価:2,100円(5%税込)
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            |  | ■ 詩集 壁の日録 くにさだ きみ/著
 くにさださんの作品は、歴史や記録そして日常の暮らしの歪みや人間の認識の闇に潜む意識を極めて理知的に実証から切り開いていく、一種爽快な明快さと生き方の勢いまでも感じさせるところに特徴があります。(葵生川玲・跋より)ISBN4-8120-1437-9 C-0092 定価:2,100円(5%税込)
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            |  | ■ 詩集 夜に目覚めるためのノート 水村 和子/著
 別れの歌
 アイオワ河の畔で
 光が流れ うねり/あたらしい幸や不幸を運びこむ/交差して火花/それは幻の中のあなたやわたし/そう 輝くアイオワの五月/明るい地球からこぼれ落ちた愛が/宇宙のどこかで/見事に咲き誇る/それまで永い別れが不自由な伝達を終わらせて/死を呼んでいる/さようなら/悲しい金属が降りそそぐアメリカ/暴動が終わったばかりのアメリカ/さようなら 故郷のひと/昨日は優しい少女でした/今日は落ちぶれた闘士となり/明日は淋しい老女となります/約束の土地でまた会うまで/実らない果実を売る商人の声の響く/あの幻の土地に帰るまで/さようなら/凍りついた夏の記憶が/いつか原子炉の中で/溶けだす日まで/わたしは静かに働きまどろんでいよう/詩集『夜に目覚めるためのノート』SBN4-8120-1432-8 C-0098 定価:1,680円(5%税込)
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            |  | ■ 新・日本現代詩文庫28 【松田幸雄 詩集】 松田の詩は清濁併せ呑むなどというダンナ芸を初めから拒否し続けることから成立した。
 松田のことばは日常の平明さに割って入り、それを截断し、ことばの磨擦によって傷つきながら自らは硬度の高いポエジーに一種の批評性を伴って立ち現れて来るが、松田の個はその場合でも昂然たる気構えを見せていた。
 (粒来哲蔵・解説より)
 ISBN4-8120-1434-4 定価:1,470円(5%税込)
 
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            |  | ■ 宇宙音 竹村 啓/著
 ぼくもうれしいよ
 蛸の足
 (「九十七世紀の春」より)
 なぜ「蛸の足」なのかは、おそらく作者自身にも説明できないだろう。だが、僅か三つの文字からなるこの一行に、世界の根源的な意味が恐ろしいほどに凝縮されていることを、私たちは感じずにはいられない。そう。そこにはまさしく禅の公案で言う「隻手の音」が聞こえるからである。(一色真理)
 SBN4-8120-1433-6 C-0092 定価:1,890円(5%税込)
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